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並外れたコンピューターの才能を持つ青年ベンヤミンは、正体不明のハッカー集団「CLAY」からメンバーになるよう誘いを受ける。彼らはやがて危険な陰謀に巻き込まれ、警察からもマフィアからも追われる身となってしまう。
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以下ネタバレ注意
(普段ネタバレ注意とか書かないけど、この映画に関しては書いた方がいいかなと)
〇感想
結構面白かった。
映画は犯罪者の青年が事情聴取されている所から始まる。
もうこの時点でユージュアルサスペクツが頭をちらつく。
・この映画の独自性は?
ユージュアルサスペクツを見たことがなかったらあまり気にする場面ではないかもしれない。
ただユージュアルサスペクツを見たことがなくても、ある程度映画を見たことがある人だったら、ちょっと怪しいぞと思う所。
そんな感じで見ていって最後のオチでやっぱりそのオチか、と思ったらそこに一ひねり加えられてて「おおっ」ってなった。
ユージュアルサスペクツは全て噓だったけど、この映画は全て嘘と見せかけて(最後の所以外)実は本当だったって言う。
個人的に良いと思った点は、ユージュアルサスペクツと違って、積極的なアプローチだって所。
ユージュアルサスペクツの場合、主人公は逃れるために嘘をついた。
この映画の主人公は、ハメられたことの復讐を果たすために自ら捕まりに行って嘘をついた。
もしこれがユージュアルサスペクツと同じ消極的なアプローチだった場合、二番煎じになってそんなに面白いとは思わなかっただろう。
あと「実は本当だった」って所がカギ。
「実はほとんど嘘でした」みたいな映画にありがちなのは、主人公の成長まで否定してしまう事にある(成長した部分も嘘に含まれるため)。
↓が具体例(昔俺が書いた記事)
hujiwarabenzene.hatenablog.com
この映画(ピエロがお前を嘲笑う)は語られることが実は本当の事で、冴えない主人公が成長していく様を否定しない。
そこが良い。
・主人公たちを魅力的に描く方法
主人公達の見せ方と主人公に対立する組織の見せ方がうまかった。
まず主人公とその仲間は犯罪者だから、普通に見せてたら共感は得られない。
そのためひと工夫と言うか、この手の映画の鉄則があって、それは対立する組織を主人公達より悪く描くって事。
主人公達は犯罪者ではあるのだが、人に直接危害を加える行為は行っていない(少なくとも映画の中では)。
派手ないたずらをする集団みたいな感じ(それでも迷惑だろってのは正論だが、映画のシナリオで重要なのは、対立する組織との対比)。
翻って対立する組織は、人殺しさえいとわない集団。
このギャップによって観客は主人公たちに共感し応援したくなる。
あとネット上のやり取りも電車?のような場所を使って、分かりやすく視覚化してたと思う。
〇まとめ
・実は嘘と見せかけて、実は本当だったと言う仕掛けにより、どんでん返しと主人公の成長をうまく描いた。
・主人公達と対立する組織とのギャップをうまく描いて、主人公達を観客に共感しやすくした。