藤原のメモ

読んだ本や見た映像のメモとして。

「映画」ーフェイク

 

 

なるほど・・・

 

なかなかいい映画だった

 

あらすじ:潜入捜査官の話。マフィア一家に潜っていくうちに、兄貴分のマフィアに同情するようになっていく。

 

要素:アルパチーノ、ジョニー・デップ、潜入捜査、マフィア、友情

 

潜入捜査官のマフィアの兄貴分は組織で不遇。そういう描写をちょくちょく挟む。また息子が薬中、そして映画の途中で入院。組織の論理に振り回されて、人も殺す。

↑可哀そうな描写。潜入捜査官が同情しても違和感がないように構成。

また観客もそれに感情移入する。

 

兄貴分が動物のビデオを見ているシーンがあって、潜入捜査官が兄貴分の妻に、夫は動物好きなのと紹介されるシーンがあるが、マフィアなのに動物好きという意外な一面を見せるテクニック。

観客に感情移入させやすくする小テクみないな感じか。

 

印象的なシーン

・兄貴分がいないところで、中ボスみたいな奴に、潜入捜査官が問い詰められ、兄貴分は裏切れないと言ったシーン

・兄貴分が裏切り者を殺した後の車内で、潜入捜査官があいつは違うと言って言い合いになったシーン

 

・潜入捜査官がばれるのを防ぐために、日本料理屋で靴を脱がず、そこのオーナー?が袋叩きに合ったシーン&たまたま会った知り合いの検事に本名を言われて咄嗟に殴ったシーン

・あとはラスト。ざっくり書いてみる。↓

最後あたりで潜入捜査官は兄貴分にサツである証拠を突き付けられるが白を切りとおす。兄貴分は潜入捜査官を信じる。

その直後、FBIに捕まる。

後日、兄貴分は解放された後、サツから弟分が潜入捜査官だとばらされる。

マフィアのボスに兄貴分が呼び出された時、妻に伝言を頼む。「お前なら許せる」と。

時計や指輪などの貴重品を家の部屋の引き出しにおいて、出かける。

呼び出しはマフィアにとって処刑を意味する。

潜入捜査官は表彰された後、窓の外をみて黄昏る。エンド。

 

ちょっとした考察

マフィアの兄貴分は、うまく金が稼げず、いらいら→信じられるのは弟分の潜入捜査官だけみたいな状態

 

潜入捜査官は、妻や子供とも自由に会えず、いらいら、マフィアの仕事でひどいことまでやらされる始末→兄貴分もマフィアのボスに逆らえず、うまくいってない感じ→息子も薬中で入院→どんどん同情していく

 

序盤に兄貴分がこう言う

「紹介するときに

俺の友達と言ったら、弟分ってことだ

俺たちの友達と言ったら、一人前の身内ことだ」

 

終盤の方に兄貴分がこういう

「俺がお前を裏切り者と?

言うわけがねえ

お前は俺の親友だ」

 

この映画は二人の関係、信頼、友情がテーマみたいになってて

その軸に沿って物語が進む。

 

二人が徐々に関係を深めていく感じが違和感なく見れるので

映画の最後のあたりはぐっとくるものがあるようになっている。

 

映画の構成

①二人の仲はあまり良くない→②一緒に仕事をしていく内に信頼関係を深めていく→③兄貴分が完全に信用しきったところでの裏切り

 

裏切りを最もショックな形で見せるには、「全く信用していない状態から完全に信用している状態への移行」を自然に見せる必要がある。

感情の流れが自然だと「本物」だと感じられる。つまりリアリティがあるとみなされる。

 

登場人物の「感情の自然の流れ」は物語においてかなり重要。

②で不信→信用の過程、流れが丁寧に描かれていて、感情の移行が自然に感じられる。

 

そういうわけで

なかなかいい映画だった。

 

ただ俺の好みではない。