圧倒的面白さ。
食や栄養に関する本を読んできた中で一番。
他の本では、食物繊維の豊富な野菜がいい、動物性タンパク質はオーガニックのものに限る、いや摂取してはだめ、柑橘系は健康に良い・・・などなど細かい話が多い。
しかしこの本はそもそも食欲とはどういったものなのか?という所から話が始まる。
生物には、自然とどんな栄養をとればいいのかわかる仕組みがある。
バッタの場合、タンパク質を一定量とるとタンパク質に触角が反応しなくなる。
人間は消費カロリーのうち約15%のタンパク質を取るように設計されている。
らしい。これをタンパク質レバレッジ仮設と呼んでいる。
現代社会に蔓延する肥満の原因はこのタンパク質摂取15%を満たすため、過剰にタンパク質が薄められた加工食品を取っているせいだと・・・。
ハエを使った実験も面白い。
高タンパク質低炭水化物、低タンパク質高タンパク質の食事をハエに取らせ、
産卵数、寿命をグラフ化した。
餌のタンパク質比率が高まるにつれ、ハエの寿命が徐々に短くなった。
ハエは高タンパク低炭水化物食で最も早く死んだ。
低タンパク質高炭水化物食で飼育されたハエが最も長生きした。
産卵数が最も多かったのは、ハエが寿命を最も伸ばしたであろう比率よりも高い比率でタンパク質を摂取したときだった。
つまり繁殖と寿命は栄養上に要件が異なる・・・と。
他にもいろいろおもしろい話が多い。