副題に「一瞬」とあるがこれは正確ではないな(笑
ある程度の会話は必要
リーディングって日本じゃあまり聞かない言葉だけど、要は心やその人の人生的なものを読む技術って感じかな。
具体的には、手相占い、タロット占い、占星術、筆跡学、交霊術、透視などがあると紹介されている。
コールドの反対にホット・リーディングというのもあるらしいが、コールドが即興でやるのに対し、ホットは下調べをして行うリーディングらしい。
心やその人の人生的なものを読むって聞いた時俺は、誰にでもありそうなことを言うだけじゃみたいなことを思った。
「それは一つの要素ではあるが、それだけではない」
みたいなことを著者は書いているがが、全体を通して考えてみると3割くらいであいまいで誰にでも当てはまりそうな事を言っている印象。
確かにそれだけではなかったが、上の文を読んだ時に感じた印象より多かった。
コールドリーディングされにくる相談者のほとんどが女らしい。女って男よりそいういうのが好きそうなイメージがあったがやはり(著者は騙されやすさとは関係ないと書いている)。
リーディングの仕組みとして著者は7つ紹介している
①セットアップ
相談者と協調的な解釈を促す。
「このカードが何を告げようとしているのか、いつも分かっているなどと言うつもりはありません。時には霧に包まれたように視界がぼんやりしていて、私よりもあなたの方が正確な意味を理解できる、と言う事だってあります!このことを忘れないようにしてください。いいですね?」
ここのポイントを著者は、サイキック(リーディングする人)と協調し、力を合わせることが自分には求められている、と相談者に思わせることだ。と書いている。
なるほど、面白い。セットアップには他にも「親密な雰囲気を作る」という項目があり、確かにその状況になれば良い雰囲気を壊さないようにしようと思ってしまうかもしれない。
だってわざわざ相談に行っているんだから。
②主要テーマ
主に4つのテーマがある。
愛情、お金、職業、健康
③リーディングの要素
要素とは、実際以上に意味にありそうな様々なタイプの言明のこと。
性格、事実、情報を引き出す、未来の出来事の4グループに分けられている。
性格に関することをいう場合、「虹色の戦略」がある。
それは、相談者の性格についてある傾向を指摘すると同時に、それと反対の傾向をについても述べること。
「あなたはとても思いやりのある人で、いつも他人に与えてばかりですが、素直に振り返ってみれば、ときとして自分の中に利己的な傾向を見ることもあります」
↑のような感じで「リーディングの要素」を130ページほど使って細かく説明している。
テーマに沿って要素を使いリーディングするって感じ。
めちゃめちゃ要素が多くて習得するのはなかなか大変そう。
あと面白いのが、相談者の性質について。相談者と言うか人間についてかな。
人間の記憶は、正確ではなく、自分の都合のいいように改変している事さえあると。
ほとんどの相談者は、サイキックが言い当てたことは覚えているが、間違ったことを言った場合、そのことを忘れてしまうか、全体から見て些細なことだと思ってしまうらしい。
またサイキックが言ったことを都合のいいように解釈し、当たっていたと勘違いしてしまう人も多いとか。
こういうことを起こすためにも「①セットアップ」が重要なんだろう。
④ウィンウィンゲーム
相談者がサイキックの提示した言明を否定して時に使う逃げの手段。
以下ざっくり引用
~~~~~~~~~~
「あなたが若かったころ、水に関わる事故があったように見えます。思い当たることがありますか」
答えがイエスなら当たりだが、答えがノーなら
「かなり前の事のように感じます。多分まだ幼いころのことだったのでしょう。あなかが覚えていないだけかもしれません」
そしれサイキックはリーディングの次の部分へと滑らかに移行するー少しも傷を負うことなく。
~~~~~~~~~~~
他にもいくつかのバリエーションがある。
⑤プレゼンテーションの方法
コールドリーディングは当たっていればいいというものではなく、提示する方法も重要。
ボディランゲージとか話し方とか。
個人的には「クリーム色の原則」が面白い。
クリーム色の原則とは、最初は弱い言明から言うというもの。
良くない例→「背中に大きな健康上の問題があります」
良い例「ときどき、背中に少し具合の良くないことが起きると思うのですが、どうですか?」
当たった場合はすごいと思われ、外れた場合は調整を行える。
最初に直接過ぎることを言うと、外した場合の調整が難しいからやらない方がいいと。
⑥すべてをまとめる
流れを説明。
リーディングはざっくり、5つの段階で進められる。
「セットアップと武装解除」「開始」「橋渡し」「拡張」「綺麗なしめくくり」
⑦懐疑的な相手への対処手段
懐疑的な態度を和らげる方法を紹介している。
またそれでも無理な場合は諦めるとこも進めている。
ここまで260ページ。
ここから著者の実演を書き起こしたものが載っている。
ここも面白い。こうやって進めるのか―と勉強になる。
他には、コールドリーディングをブロックする方法と、コールドリーディングを販売の仕事や恋愛に応用する方法が描かれているが、補足といった感じで、そんなに面白くはない。
まとめ
要素の説明が長くてそこらへんでだれてくるが、全体を通してみれば面白い。
実演の描き起こしが結構面白かったので他のも見てみたかった。
こういう話術的な事って憧れる。
友達にやってみたら面白そうだけど、絶対間違いを嬉々として指摘してくるからうまくはいかないだろう。
やはり親しい雰囲気だけどいい緊張感があるような人じゃないと無理か。